Revive Me

Revive  Me

 

生き還らせてほしい。あなたのその手で。
センチメンタルなサソリ。

(NARUTO デイダラ×サソリ)

デイダラが鳥を観察している。その手には粘土。
いつものあいつとは違って、真剣な顔をして見つめている。
他の事は何一つ見えていない。

―――あいつも芸術家なんだな。

粘土で造りたいものがあると、デイダラは必ずその動物を何時間も観察していた。
より作品が本物に近づくように、一瞬の動きですら見逃さない。恐ろしいほどにその碧眼は研ぎ澄まされているのだ。
ある程度イメージを固めると、今度は粘土を取り出し動物を模っていく。その間も決して動物から目を離すことはない。優しいタッチで粘土に触れる。
そして見事にその手の中から生命を宿らせる。あいつの手は神の手だ。

「なかなかお前、芸術的な翼持ってんじゃねぇか…うん。」
まるで鳥に話しかけるように独り言を言いながら、その顔は微笑んでいた。
丁寧に粘土を扱って、翼を作り上げていく。手の中で生命が生まれようとしている。

なぁ、デイダラ。
オレも生き還らせてくれ。お前の生命を創り出すその神の手で。
創り直してくれないか。
オレは生きることをやめた傀儡。
お前の手で生き還りたい。

「旦那っ、どうだいオイラのこの芸術的造形は？」
デイダラの弾んだ声が聞こえた。
「あぁ…悪くないな。」
「オイラの自信作だからな…うん。」

いつになく感傷的になってしまった自分に苦笑いをした。