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煌く原子の光に飛び込もう
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芸術論Ⅱ 『永久』の不変否定

生きているんだ。
デイダラ視点。

(NARUTO カプなし)
 アルコールの臭いが鼻を狂わせる。
普通の人間なら眩暈がしそうな位なのに、全く…この人は気にもせず作業を続けている。
旦那は数々の作品を一つ一つ丁寧に拭いていた。確かに作品達は戦闘によって酷使されているから劣化が酷い状態だ。

「旦那ァ…瓶開けっ放しにするなよ。アルコールのすげぇ臭いだ、うん。」
「しょうがねぇだろ。こいつらの汚れを落としてんだからよ。」

旦那は細かい所の汚れまで見逃さない。溝を見つけるとお手製の綿棒で汚れを落としていく。しかもその綿棒の種類は様々で旦那はそれを見事に使い分けている。その手際の良さはまさに圧巻だ。布を千切って綿棒に付け、アルコールの入った瓶に浸す。

「しかし、戦闘を考えると芸術性に欠けちまうな。」
「うん?」
「軽さを考えるとどうしても錆び易い金属になっちまうんだよ。」

オイラは旦那をモノ造りとしては確かに尊敬している。
だけど、旦那は芸術について分かってないことがある。

「永久の美を追求するのは難しい。」

不変の永久なんて芸術には存在しないってことだ。なぁ旦那、作品達は生きているんだぜ。
旦那は錆を永久の妨げと言うが、それが生きているって証拠なんだ。どんな芸術だって永い時間の中で変化してゆく。独りでに成長していくんだ。

だから、本物の永久ってのは一瞬一瞬の変化の堆積によって成り立っているんだよ。

それに…

「錆びにくくて軽い金属が欲しいぜ、全く。」

小さな溝と睨み合う旦那の横顔は幼い顔立ちに似合わず年季の入った匠の顔をしている。

やっぱりアンタも生きているんだよ。
たとえ、傀儡の体だとしても。
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