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煌く原子の光に飛び込もう
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芸術論Ⅰ 『一瞬』に関しての逆説

一瞬なんてありえない。
サソリ視点。

(NARUTO カプなし)
細い指が粘土を包み、何かを模っている。鳥だろうか。
何の躊躇もなく動くその手はまさに軌道に乗っているという感じだ。指先の動くリズムが良くて見ていて清清しい。
「そりゃ鳥か、デイダラ。」
「ああ。」
しばらくすると、確かに手の中のモノは鳥らしくなってきた。翼の細部まで的確に再現しようとするやつの姿はなかなか様になっている。
これまで色々と見てきたがデイダラの作品は悪くない。模り方も丁寧であるし、模る動物の選び方のセンスも持っている。モノ造りとしてはまぁ上出来だ。…だが芸術家としてはまだ認められねぇ。

お前は自分の芸術についてわかってねぇことが一つある。

「良い感じだ。今度の任務で早速使ってみるかな、うん。」
「うまく造ったのに壊しちまうのかよ。」
「芸術は爆発だ。儚いものこそ美しいんだぜ、旦那。」
「…」

お前はとんだばかやろうだ。
人間が作り出す芸術なんてな、到底一瞬には辿り着かないんだよ。お前が芸術家でありたいと願えば願うほど尚更遠くなっていくんだ。
お前がどんなに作品を爆発させても、どんなに作品を粉々にしても、それは一瞬になんてならないんだぜ。
何故ならば。

「この間のやつより良いできだろ?」

お前の頭の中で作品は永久に“存在”し続けるからだ。

芸術家である限り、一瞬なんて無理なんだよ。芸術家は自分の作品を忘却することなんてできないだろ。一瞬の美ってのはな、お前の記憶からも消え去らないと言えないことなんだよ。
「この間のより、ちょっとはマシかな。」
「なんだよ旦那!オイラの芸術がわからないってのかい!?」
ふん。

「お前のはまだ芸術じゃねぇよ。」

お前もいつかわかるだろう。
芸術ってのはそれだけで永久性を帯びていること、そしてお前がその性質を決して取り除けないことにな。
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