煌く原子の光に飛び込もう
Platinum
重たくて、美しい金属
お金の使い方の続き
(NARUTO 角都×飛段)
重たくて、美しい金属
お金の使い方の続き
(NARUTO 角都×飛段)
勢いよくその男は店に入ってきた。
店の主人は煌めく宝石をレンズ越しに眺めていた所だったので、当然の来客に驚いた。
「おっさん!これ、どうにかなんねーか?金ならいくらでも払うからよ…」
「どれ…」
男の手には真っ二つの紋章がある。「いくらでも払う」と言うことから、これがこの客人にとって至極大切なものであることは明らかであった。
しかしどうあがいてもこの割れ様は修復不可能だ。接着剤でならどうにかなるだろうが、きっとこの客人はそれでは満足しないだろう。店の主人は紋章をじっと見つめながら考えていた。
「これを直すのは無理だ。指輪なら簡単に金属を足せばいいが、あんたのは複雑な模様だからな。」
「頼むから…!」
「…」
見た感じでは銀で作られているようである。ある程度の展性に富む銀が真っ二つになるということは、相当な力を与えられたに違いない。
男は切羽詰った顔をしている。その顔を店の主人は黙って見ていた。
「あんた、いくらでも払うって言ったよな。」
「ああ!」
「そんじゃ、新しく造るか?」
「えっ…あぁ、そうする」
そう言って店の主人は背後の棚から様々な金属を出した。
金属達は店内のほの暗い照明に照らされて、あたかも星屑のように輝いている。男はそれを見て綺麗だと思った。
「どれも一級もんだ。あんたの好きな金属を選びな。」
選べと言っても、どれもこれもよく似た色ばかりである。男は一つ一つを手に持ち、その重さを確かめていた。
そして男は紅い瞳の奥にただ一つの星だけを見つめた。
「これにするぜ。」
「ほぅ…この中から白金を選ぶたぁ、あんた良い眼を持ってるな。しかしこりゃあ重いぞ。あんたこれを首にかけるんだろ?」
確かにこの金属が一番重い。首にかけるなんてもっての他だ。
だが、男にはそれが良かったのだ。
「重い方がいいんだ。重い方が…忘れない。」
「…そうかい」
店の主人は男の言葉を解さなかった。
重たくて良いんだ。
そうしないとオレはいつかジャシン様を裏切ってしまう。
いつか、ジャシン様よりもあいつのことを…好きになっちまう。
男は重たくて冷たい白金を握りしめ続けた。
店の主人は煌めく宝石をレンズ越しに眺めていた所だったので、当然の来客に驚いた。
「おっさん!これ、どうにかなんねーか?金ならいくらでも払うからよ…」
「どれ…」
男の手には真っ二つの紋章がある。「いくらでも払う」と言うことから、これがこの客人にとって至極大切なものであることは明らかであった。
しかしどうあがいてもこの割れ様は修復不可能だ。接着剤でならどうにかなるだろうが、きっとこの客人はそれでは満足しないだろう。店の主人は紋章をじっと見つめながら考えていた。
「これを直すのは無理だ。指輪なら簡単に金属を足せばいいが、あんたのは複雑な模様だからな。」
「頼むから…!」
「…」
見た感じでは銀で作られているようである。ある程度の展性に富む銀が真っ二つになるということは、相当な力を与えられたに違いない。
男は切羽詰った顔をしている。その顔を店の主人は黙って見ていた。
「あんた、いくらでも払うって言ったよな。」
「ああ!」
「そんじゃ、新しく造るか?」
「えっ…あぁ、そうする」
そう言って店の主人は背後の棚から様々な金属を出した。
金属達は店内のほの暗い照明に照らされて、あたかも星屑のように輝いている。男はそれを見て綺麗だと思った。
「どれも一級もんだ。あんたの好きな金属を選びな。」
選べと言っても、どれもこれもよく似た色ばかりである。男は一つ一つを手に持ち、その重さを確かめていた。
そして男は紅い瞳の奥にただ一つの星だけを見つめた。
「これにするぜ。」
「ほぅ…この中から白金を選ぶたぁ、あんた良い眼を持ってるな。しかしこりゃあ重いぞ。あんたこれを首にかけるんだろ?」
確かにこの金属が一番重い。首にかけるなんてもっての他だ。
だが、男にはそれが良かったのだ。
「重い方がいいんだ。重い方が…忘れない。」
「…そうかい」
店の主人は男の言葉を解さなかった。
重たくて良いんだ。
そうしないとオレはいつかジャシン様を裏切ってしまう。
いつか、ジャシン様よりもあいつのことを…好きになっちまう。
男は重たくて冷たい白金を握りしめ続けた。
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