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煌く原子の光に飛び込もう
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風邪

風邪のせいではない熱

(NARUTO 角都×飛段)
一定の周期で痛みが頭を襲う。これは時間と共に速さを増してオレの体力を奪っていく。頭は熱いのに、背筋には寒気を感じる。
これが風邪であると言うのは疑いの余地がなかった。
あまりにも久方ぶりなので、風邪特有の体のだるさはより一層酷く感じられた。何も考えられない。頭が痛い。寝ることすら頭痛でままならないのだ。

ふとドアが開いた音が聞こえた。そういえばいつもうるさい奴の姿がないな。
勢いのある足音が頭に響く。

「角都っ…大丈夫か!?」
「…あぁ…」
「どれ…うわっ!どこが平気なんだよ、すっげぇ熱!」

冷たい奴の手が額に触れたかと思えば、飛段はあたふたとしながら抱えていた袋の中身を取り出した。
中には食材やら薬やらが混在している。特に薬が多い。何でそんなに色々な薬を買ってきているんだこいつは。

「オレ薬のことさっぱりわかんねーからよ、片っ端から買ってきちまった。」
「そんなもの…飲まなくても平気だ。」

オレは薬は好かない。基本的に治せるものは自力で治す。そうでないと免疫力が下がってしまうからだ。買ってきた薬代が勿体無いと思いつつも、飲もうとは思えない。
ところが奴は切羽詰った顔をしてだめだと叫ぶ。

「…いらないと言っているだろう。」
「いいから早く飲めよ!…早く…」

突如奴の声は勢いが無くなった。そして奴はオレの傍らで今にも泣きそうな顔をするのだ。
一体どうしたというのだ。奴の表情はにわか雨のように急に変わる。

「お前が弱ってるトコなんて見たかねーんだ。早く治せ。」
「…わかった」

ここまで強く言われると断る理由も無くなってしまう。
飛段は満足したように、にんまりと笑う。やっぱりこいつの表情は読めない。

最後に看病してもらったのは、何時だっただろうか。
もうその記憶は残っていない。
でも人に手厚く看病してもらったことなんて無かったはずだ。

「あっ、薬って食後だよな。待ってろよ、今作るから。」
「…お前が作るのか?」
「何だよォ、不満なのか?」
「いや…」

なぁ、飛段。どうしてそんなにオレの風邪を心配してくれるのだ。お前は…相方ってだけであるのに。
お前がそうやって優しくしてくれるから。
だから風邪のせいではない熱を感じてしまうのだ。

不器用な飛段が料理をする音を聞きながら、オレは頭痛の周期が穏やかになっていくのを感じた。
不覚にも、風邪を引いて良かったなどと思ってしまう自分がいた。
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