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煌く原子の光に飛び込もう
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心臓

オレの心臓、お前にやるよ。

(NARUTO 角都×飛段)
角都の心臓が、一つ消えた。
でも角都は敵の心臓を奪わなかった。もっと強い忍から奪えばいいと言った。角都の心臓は四つ。わかってる。たかが一つ無い位で角都が死ぬ筈がねぇ。でもオレはおかしくなっちまいそうだった。角都が死んじまうんじゃないかって。この不安は戦いが終わって宿に入ったときも消えなかった。床に就いた今だって続いている。

角都は隣で背中を向けて眠っていて、オレはじっとその背中を見つめた。
お面が一つ足りない。
一つ。
一つ心臓があれば満たされるんだ。誰かの心臓が一つあれば…

そうか。

「角都、起きてる?」
「…なんだ」

角都がこっちを向いた。昼間と違って顔が露になっている。
黒い髪が月のせいで輝いていて綺麗だと思った。

「オレの心臓やるよ」
「何を言っている」
「だから、オレの心臓をやるって言ってんだ。そうすればお前の心臓、満たされるだろ?」

何で今まで気づかなかったのだろう。オレの心臓を角都にやればよかったんだ。心臓が無くたってオレは生きていけるし、オレの心臓は死ぬことが無いから角都も死なない。
ずっと2人で生きていける。すっげぇ良い案だと思わないか。

「飛段…」
「大丈夫だって、オレは心臓なんて無くても死なねぇから」
「飛段っ!」

突然角都の声が大きくなった。…かと思えばオレの名前を呼んだだけでその後の言葉が続かない。一体何だって言うんだ。
角都は黙ったまま体を起こした。やつの顔がオレの顔の上にある。大きな手がオレの心臓の辺りに触れた。手が冷たくて思わず声を上げそうになったが、心臓を抜き取られるのかと思うと声は出なかった。緊張が全身を襲った。でもそれは喜びでもあるのだ。

早く取っていけよ。
それで角都がすっと生きられるなら本望だ。

「お前の心臓は奪えない」
「何でだよ…」
「そんなことをしたらお前の体が欠けてしまう」
「なに言ってやがる。オレはお前とは違って心臓なんて無くたって…」

「お前が人間でなくなってしまうだろ!」

「…っ!」

お前だけだ。
オレを人間だなんて言ってくれるのはよ。もう『化け物』なんて言われるのは慣れちまってんだ。だから、そんな辛そうな顔するなよ。

「そんなこと言われちまったらやるもんもやれねーだろうが」
「…」
「オレはお前に死んで欲しくねぇんだよ」
「心臓ならいくらでもある。お前の以外にいくらでも」
「…ったくよ、お前をいつか殺すとか言うくせに」
「うるさい」

不意に落とされた口付けに安堵して、オレは角都の背中に手を回した。
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