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煌く原子の光に飛び込もう
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酒に酔う [前編]

角都のばかやろー。
酔っ払い飛段。

(NARUTO 角都×飛段)
妖しいライトを煌かせた店が軒を連ねている。真夜中なのにこの通りは嘘みたいに明るい。
様々な誘惑の声が行き交っていて耳に障った。
むせ返る様な酒と香水の臭いも気持ちわりぃ。

オレ達は宿を探すために歓楽街に来ていた。
こんな狂った街ならオレ達みてぇな犯罪人でも泊めてくれる所はいくらでもある。
「ここにするか。」
「ああ。」
その宿は通りの少し寂れたところにあった。
早くこのうるさい街から出たかったオレには好都合な場所だった。
「いらっしゃい、お二人様で?」
店の感じの良さそうな親父が言った。
「ああ。一部屋頼む。」
「へい。それじゃあお二階へどうぞ。あとこれを、サービスなんです。」
そう言うと、親父は焼酎の入った徳利をその上に猪口に被せて二つ渡してくれた。
角都がそれらを持って二階へ向かう。オレは親父に礼を軽く言って後を追った。

部屋は割と広く、布団が二つ敷いてあって窓のそばには小さなテーブルと腰掛けが二つある。
「安い割には設備が整ってるじゃねぇか。」
思っていた以上にいい部屋だったのでオレは上機嫌になった。さっそく腰掛けに座って伸びをする。
しかし角都の方は徳利をテーブルに置いたが一向に座ろうとせず、外へ行く支度をしている。
「おい、角都、どっか行くのか?」
「用事がある。」
「なんだよ。」
「お前には関係ない。」
角都はオレの方なんて見ずにドアの方に立っている。その様子に腹が立った。
「関係ないって、そんな言い方ねぇだろ。」
そう言うとやつは渋々こっちを向いた。
「…お前の嫌いな金の話だ。だからお前はここにいろ。」
オレの返答も聞かずに出て行ってしまった。

「何なんだよ。」
オレは角都がさっさと出かけてしまったことにどうしようもない苛立ちを感じだ。窓を覗けば角都があの街に向かって歩いている。
オレを置いていきやがって。角都のやつどこに行くつもりだ。
「こうなったら1人で飲んでやる。」
やけになって猪口に酒を注いで一気に飲む。喉が焼けそうなくらい強いアルコールで、酒に弱いオレには強烈だった。
オレはそれでも止めなかった。むしろ飲みまくって酔いつぶれてしまいたかった。
酒を次々と口に入れる。その度に体が熱くなる。
「角都のも飲んじまおう。」
そう言ってもう1つの徳利に手をかけた。
相変わらずペースを落とさず飲んでいく。

「かくずのばかやろー」
呂律が危うくなりながら、オレはつぶやいた。
「どうしておれをおいて…」
金の話とか言っていたけど。
本当は…
「おんなかぁ…?」
角都はあの歓楽街へと消えていった。
女でも買って一緒に酒でも飲んでいるのだろうか。悪い想像ばかりが頭を過ぎる。
角都が女といる。角都がオレじゃないやつと一緒にいる。
そう思うと自然と涙がこぼれてきた。

「くそっ…のみたりねぇ…」
もう二つ徳利を空けてしまった。
…まだ飲みたい。
オレは適当に金を持って武器を置いて外に出た。
店の親父に止められた気がしたが、聞き取れなかった。

To Be Continued...
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