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煌く原子の光に飛び込もう
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傷跡 -Hside-

オレの体には傷跡はちっとも残ってくれない。
傷跡シリーズ飛段編。
「角都、オイラの腕を治してくれ。」
「デイダラ…」
オレ達が火の国を目指している途中、森の中でデイダラに会った。
いつもは生意気に爆弾を使っているくせに、今は両腕を失って何もできない様子だった。
ククッ…ざまぁねぇ。
「なんだデイダラちゃん、爆発事故か?」
オレは罵るようにやつに言った。しかしやつは何にも文句を言ってこなかった。
こいつ、無視してやがる。
腹が立ってデイダラに切りかかりたくなった。しかし喧嘩を売っておいて、全く相手にされてないオレが攻撃を仕掛けるなんてどう考えても格好悪い。
オレはその場に座り込んだ。

「早く腕を見せろ。」
デイダラが取れた腕を差し出し、角都がやつの外套を捲る。
そして黒い糸で腕を治し始める。
「じっとしてろ、縫い目がずれる。」
デイダラに、角都の糸が縫われていく。

「ふん…」

オレは小さい声を出して、後ろを向いた。もうその様子を見たくなかった。
無性に悔しかったのだ。

オレの体には傷跡が残らない。
角都がどんなに治してくれたって。
オレの傷口はすぐに塞がれて、糸が要らなくなっちまう。

デイダラには角都の残した傷跡が残るのに、オレにはちっとも残ってくれない。
そんなの、ずるい。
オレはお前に消えない跡を残して欲しいんだよ。
お前の一部だったその糸がオレを侵食していく…そう思う度ぞくりと背筋に何とも言えない痺れを感じる。
嬉しさが込み上げてくる。いっその事、体中お前の糸で縫われたいぐらい。

オレはおかしい位に角都を独占したい気持ちに駆られていた。
オレ以外のやつに目を向けるなんて許せねぇよ。
お前はずっとオレだけを見ていればいいんだよ。

こんな風に思ってるなんて言ったら、馬鹿にされるんだろうけど。
「お前はガキか」って言うんだろうな。だからぜってぇに言わない。言うもんか。

「行くぞ」
角都がそう言って頭をポンと叩いてきた。いつの間にかデイダラはいなくなっていた。
「…」
オレは黙って頷いた。
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