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煌く原子の光に飛び込もう
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傷跡 -Dside-

本当は旦那に治してもらいたかったんだ。
サソリの死後の話。
「角都、オイラの腕を治してくれ。」
「デイダラ…」
ゼツに角都達の居場所を教えてもらったので、探すのに時間はかからなかった。
ちょうどやつらは火の国へ行く途中の森の中を歩いていた。
「なんだデイダラちゃん、爆発事故か?」
飛段がオイラをおちょくってくる。腹が立ったが、やつに構うと面倒くさいので相手にしない。
オイラに無視されてつまらなそうに飛段はその場に座り込んだ。それを角都が呆れたように見てる。
その様子が少し羨ましかった。
オイラの相方はもう、いない。

一尾と九尾の人力柱と戦ったときに、両腕を失った。
手を失うことは忍にとっても、芸術家にとっても致命的なことだ。
でもオイラはその時少しも不安じゃなかった。
不安じゃなかったのに。

旦那…どうして死んじまったんだよ。

オイラは何ともいえない心の空虚に飲み込まれそうだった。
「早く腕を見せろ。」
角都の声を聞いてはっとした。我に返ったオイラは腕を渡し、外套を捲ってもらった。
「じっとしてろ、縫い目がずれる。」
そう言って角都は不思議なあの糸でオイラの腕をくっつけていく。針で刺すようなちくりとしたものを感じたが、そこまで痛くなかった。
縫い終るとオイラは手の感覚を確かめた。
「すげぇな。普通に動かせるぞ、うん。」
以前と変わらぬ手の動きに安心したが、腕に刻まれた傷跡が気になった。
「縫い目が気になるか。」
「いや…ありがとな。」
角都は気を遣ってくれたが、オイラはだた礼だけ言った。

「サソリはどうしたんだ。」
帰り際に角都にそっと聞かれた。
「死んだんだ。」
「…そうか。」
ふと、飛段の方を見た。
やつは知らない間に後ろを向いてしまっていて、オイラ達の話を聞いていなかった。
きっと嫉妬してんだ。
「アンタの相方、大事にしろよ。」
「ああ。」

独りで歩きながら、オイラはまた傷跡を見た。

なぁ旦那。オイラはアンタに治してもらいたかったんだぞ。
モノづくりとして尊敬するアンタに、愛してやまないアンタに、腕を造ってもらいたかったんだ。
なのにどうして。どうして死んじまったんだ。

視界が滲んでくるのにそう時間はかからなかった。
オイラは独り、声にならない声で泣いた。
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