煌く原子の光に飛び込もう
グッバイベイビー
じゃあな、子供のオレ。
ハローベイビーの続き。
(NARUTO デイダラ×サソリ)
じゃあな、子供のオレ。
ハローベイビーの続き。
(NARUTO デイダラ×サソリ)
痛みを感じないはずの所が突然痛み出した。こういう時は決まって悪夢を見る。あらかじめ見る事が予期されているため余計にどんな夢を見るのか恐ろしくなってしまう。だがこの眠りからはどうあがいても目覚めることができないのだ。実に不思議なもので、頭は覚醒しているのに体が言うことをきかない。しばらくすると体が落ちる感覚と共に一つの情景が現れた。
それはオレが一番見たくない情景だった。
必死に忘れようとして記憶から消したはずだったのに、心の片隅にまだ残っていたんだな。
子供のオレの足元には、両親が横たわってる。
2人の頬に触れる。氷のように冷たい。わかってる。もう、死んでるんだ。
それなのに子供のオレは呼びかけている。
「父さん、母さん」
どうして死んでしまったの。
子供の頃に何度も自問した事がオレの頭の中で繰り返されている。今まで子供のオレを傍観していたのに、気が付けばオレが子供になっていた。夢だからだろう。過去と現在が混ざり合ってしまっているのだ。
「僕を1人にしないで」
夢の中でオレは雨のように涙を落としていた。
泣く術を失ったのに
熱を失ったのに
感覚を失ったのに
悪夢ってのは妙に現実じみていて
それが全て生身の頃のように蘇ってくる
もうやめてくれ!早く目覚めさせてくれ!
ずっと”ここ”にいたら…
死にたくなってしまう
「…んな…旦那!」
突如耳に届いた大きな声によって一気に現実へと引き戻された。目の前には不安の色を隠せない碧眼がこちらを覗いている。何でお前は起きているんだ。
「大丈夫かい…アンタうなされてたぜ。うん。」
ああそうか。オレのせいでお前は起きたんだな。まだ頭が上手く働かなくて思考が一歩遅れている。
「嫌な夢を見たんだ。」
「嫌な夢…?」
「お袋と親父の夢さ。オレの足元で死んでんの。」
久しぶりに「お袋と親父」なんて言葉を口にした。どうしてオレはこんな事、デイダラに話してんだろう。両親の話は今まで誰にも話したことなかったんだが。やっぱりまだ寝ぼけちまってるのか。
「だから死にたくなっちまった。」
芸術に打ち込んだのは、もしかしたらこの願望から逃れるためだったのかもしれないな。
オレはなぁデイダラ、本当は死にてぇんだよ。
「旦那っ、そんなこと言わないでくれよ!」
「デイダラ…」
「アンタの芸術は永久じゃなかったのかい!?だからそんなことっ…」
「なんでお前が泣くんだ。」
デイダラは子供みたいに泣きじゃくってる。オレは見ていられなくてその体を抱きしめた。
今となっては鈍くなってしまった感覚でも奴の体の温かさは伝わってきて、それはどうしようもなく温かかった。
オレはこの温かさを子供の頃から追い求めていたんだ。
デイダラはオレの背中に手を回して言う。
「旦那…オイラは旦那を1人になんかしない。だから死にたいなんてもう二度と言わせねぇからな。うん。」
真っ直ぐな眼差しは怖いくらいに優しくて、両親を思い出させた。
お前がいるなら。
もうあの悪夢にはうなされないだろう。
じゃあな。
デイダラの腕の中でオレはあの頃の自分にさよならをつぶやいた。
それはオレが一番見たくない情景だった。
必死に忘れようとして記憶から消したはずだったのに、心の片隅にまだ残っていたんだな。
子供のオレの足元には、両親が横たわってる。
2人の頬に触れる。氷のように冷たい。わかってる。もう、死んでるんだ。
それなのに子供のオレは呼びかけている。
「父さん、母さん」
どうして死んでしまったの。
子供の頃に何度も自問した事がオレの頭の中で繰り返されている。今まで子供のオレを傍観していたのに、気が付けばオレが子供になっていた。夢だからだろう。過去と現在が混ざり合ってしまっているのだ。
「僕を1人にしないで」
夢の中でオレは雨のように涙を落としていた。
泣く術を失ったのに
熱を失ったのに
感覚を失ったのに
悪夢ってのは妙に現実じみていて
それが全て生身の頃のように蘇ってくる
もうやめてくれ!早く目覚めさせてくれ!
ずっと”ここ”にいたら…
死にたくなってしまう
「…んな…旦那!」
突如耳に届いた大きな声によって一気に現実へと引き戻された。目の前には不安の色を隠せない碧眼がこちらを覗いている。何でお前は起きているんだ。
「大丈夫かい…アンタうなされてたぜ。うん。」
ああそうか。オレのせいでお前は起きたんだな。まだ頭が上手く働かなくて思考が一歩遅れている。
「嫌な夢を見たんだ。」
「嫌な夢…?」
「お袋と親父の夢さ。オレの足元で死んでんの。」
久しぶりに「お袋と親父」なんて言葉を口にした。どうしてオレはこんな事、デイダラに話してんだろう。両親の話は今まで誰にも話したことなかったんだが。やっぱりまだ寝ぼけちまってるのか。
「だから死にたくなっちまった。」
芸術に打ち込んだのは、もしかしたらこの願望から逃れるためだったのかもしれないな。
オレはなぁデイダラ、本当は死にてぇんだよ。
「旦那っ、そんなこと言わないでくれよ!」
「デイダラ…」
「アンタの芸術は永久じゃなかったのかい!?だからそんなことっ…」
「なんでお前が泣くんだ。」
デイダラは子供みたいに泣きじゃくってる。オレは見ていられなくてその体を抱きしめた。
今となっては鈍くなってしまった感覚でも奴の体の温かさは伝わってきて、それはどうしようもなく温かかった。
オレはこの温かさを子供の頃から追い求めていたんだ。
デイダラはオレの背中に手を回して言う。
「旦那…オイラは旦那を1人になんかしない。だから死にたいなんてもう二度と言わせねぇからな。うん。」
真っ直ぐな眼差しは怖いくらいに優しくて、両親を思い出させた。
お前がいるなら。
もうあの悪夢にはうなされないだろう。
じゃあな。
デイダラの腕の中でオレはあの頃の自分にさよならをつぶやいた。
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