煌く原子の光に飛び込もう
缶コーヒーは微笑む
ずっと、話しかけてみたかった。
★大学生パロ第三弾
ペンギンとローさんの喫煙所での出会い。
あれキッドさんは^p^
ずっと、話しかけてみたかった。
★大学生パロ第三弾
ペンギンとローさんの喫煙所での出会い。
あれキッドさんは^p^
◆
3限終わりの昼下がり。いつもの場所にあの男はいた。
ペンギンは構内に数ヵ所あるうちの、最も自身とは無縁の学部であろう医学部の喫煙所に来ていた。その男の両手の刺青が、医学を学ぶものとは到底思えない代物で、ペンギンは見るたびに苦笑する。いや、もしかしたらこの男も医学部ではないのかもしれない。
ペンギンは喫煙所の隣にある自販機の前に立ち、赤く点滅したボタンを押した。ガランと勢いよく落ちてきた缶コーヒーを振りながら男の隣に座る。
「・・・」
会話などあるはずがなかった。ペンギンとこの男は全くの見知らぬ関係である。強いて言えば、ペンギンの一方通行な男に対する関心のベクトルが2人の間にある位だ。
ペンギンがこの男に初めて会ったのは新学期が始まった頃だった。睡眠剤でも撒いているのかと思うほど眠い3限終了後。ペンギンは無性にコーヒーが飲みたくなり、普段なら絶対に近づかない喫煙所に行った。そこで例の男がタバコを吸っていた。何の変哲もない喫煙所の風景であるはずなのに、ペンギンはその男に釘付けになってしまった。その男はアニマル柄の洒落た帽子に、Technicsのシルバーのヘッドフォンを片耳に当て、手の甲の刺青を光らせながらタバコを吸っていた。この時点で普通の学生ではないことは明白だった。しかし何よりも驚くべきは、そこから漏れる心臓の音とも言うべきビートであった。
今日も相変わらず良い音を出しているとペンギンは思った。缶コーヒーを飲み干すと、ペンギンは目をつぶって男のヘッドフォンから流れる音に自然と体を揺らした。
美しいシンセサイザーの旋律
心音に似た4つ打ちのビート
流星のように光っては消えてゆく音
宇宙にいるような浮遊感
その全てがペンギンを高揚させる
「――あんたも好きなのか?プログレ」
不意に発せられた声にペンギンは思わず、閉ざされていた目を見開く。
目の前にはどこか勝気な笑みを浮かべてこちらを窺っている男がいた。面と向かって見たのは初めてであった。目の隈がひどく目についた。
「あぁ、よく”回し”てる」
一体何を回すというのか。ペンギンは到底一般人では理解しえない受け答えをした。
これは賭けだった。
・・・この男がDJか否かを知るための。
男はその発言を聞くとより一層口角を上げた。
「それはレコードの方か?」
「もちろん」
「へぇ、アナログ派なんだあんた」
「レコードの方が音がいい」
「はははっ、ちげェねェな」
自分の描いていた想像以上の反応をされてペンギンは思わず笑みを零す。ペンギンはずっとこの男に話しかけたくて仕方が無かった。ここで初めて会った時からこの男はハウスDJに違いないと直感が叫んでいたが、かと言って何をする訳でもなく。片耳にヘッドフォンを当てて音に陶酔している姿を見るとどうも悪い気がして話しかけられなかったというのがペンギンの本音である。毎週ここに来て、話しかけられずに飲みきった缶を殴り捨ててはその場を去るを繰り返した。おれはいくらこの缶コーヒーに使ったんだろうかとペンギンは心の中で苦笑いをした。
「あぁ、やっぱあんたもDJだったのか。もっと早く話しかければ良かった」
独り言のように言葉が漏れる。DJなんてそこら中見渡したって簡単に出会うものじゃない。ましてやこの大学で出会うなんて想像もできなかった。
「あんた名前は?」
「トラファルガー・ロー。DJ D.O.D.で通ってる」
「D.O.D.・・・」
「Doctor of death」
やはり医学部であったのかとペンギンは笑った。
死の医者なんていかにも不吉な名前だ。刺青といいやはり医学を学ぶ者とは到底思えない。だがペンギンには痛快なくらいそれがファンキーに思えた。この男となら、イベントの1つや2つやってみたいくらいだ。
「おれはペンギン。DJ PENだ」
「改めてよろしく」
「ああ」
また来週とトラファルガーは颯爽と去っていった。喫煙所に残されたペンギンは今までのやり取りを思い出しては、今にも顔に出てしまいそうな笑みを必死に押し殺していた。やっとこの大学で同じジャンルのDJに出会えた。この感動を表に出さないことなど、今のペンギンには無理な話である。
「もうお前に貢いでやんねーぞ、BOSS」
そう言ってペンギンは空き缶をゴミ箱へ投げ捨てた。
Fin
◆
管理人は大学パロで書きたかったもの・・・
それはDJローさんでした!!!
ローさんの刺青とかファッションとか見てると、もはや管理人にはDJにしか見えません。
マジDJ D.O.D.が渋谷とかで回してたら私は毎週通います^q^
そして恐れ多くもかの熱いグランプリ、WPGに投稿させて頂きました・・・!!!WPG開催初日から今までずっとストーカーのように日参してニヤニヤしてました。憧れの神々が集うWPGに参加できるなんて、幸せです(´∀`)
3限終わりの昼下がり。いつもの場所にあの男はいた。
ペンギンは構内に数ヵ所あるうちの、最も自身とは無縁の学部であろう医学部の喫煙所に来ていた。その男の両手の刺青が、医学を学ぶものとは到底思えない代物で、ペンギンは見るたびに苦笑する。いや、もしかしたらこの男も医学部ではないのかもしれない。
ペンギンは喫煙所の隣にある自販機の前に立ち、赤く点滅したボタンを押した。ガランと勢いよく落ちてきた缶コーヒーを振りながら男の隣に座る。
「・・・」
会話などあるはずがなかった。ペンギンとこの男は全くの見知らぬ関係である。強いて言えば、ペンギンの一方通行な男に対する関心のベクトルが2人の間にある位だ。
ペンギンがこの男に初めて会ったのは新学期が始まった頃だった。睡眠剤でも撒いているのかと思うほど眠い3限終了後。ペンギンは無性にコーヒーが飲みたくなり、普段なら絶対に近づかない喫煙所に行った。そこで例の男がタバコを吸っていた。何の変哲もない喫煙所の風景であるはずなのに、ペンギンはその男に釘付けになってしまった。その男はアニマル柄の洒落た帽子に、Technicsのシルバーのヘッドフォンを片耳に当て、手の甲の刺青を光らせながらタバコを吸っていた。この時点で普通の学生ではないことは明白だった。しかし何よりも驚くべきは、そこから漏れる心臓の音とも言うべきビートであった。
今日も相変わらず良い音を出しているとペンギンは思った。缶コーヒーを飲み干すと、ペンギンは目をつぶって男のヘッドフォンから流れる音に自然と体を揺らした。
美しいシンセサイザーの旋律
心音に似た4つ打ちのビート
流星のように光っては消えてゆく音
宇宙にいるような浮遊感
その全てがペンギンを高揚させる
「――あんたも好きなのか?プログレ」
不意に発せられた声にペンギンは思わず、閉ざされていた目を見開く。
目の前にはどこか勝気な笑みを浮かべてこちらを窺っている男がいた。面と向かって見たのは初めてであった。目の隈がひどく目についた。
「あぁ、よく”回し”てる」
一体何を回すというのか。ペンギンは到底一般人では理解しえない受け答えをした。
これは賭けだった。
・・・この男がDJか否かを知るための。
男はその発言を聞くとより一層口角を上げた。
「それはレコードの方か?」
「もちろん」
「へぇ、アナログ派なんだあんた」
「レコードの方が音がいい」
「はははっ、ちげェねェな」
自分の描いていた想像以上の反応をされてペンギンは思わず笑みを零す。ペンギンはずっとこの男に話しかけたくて仕方が無かった。ここで初めて会った時からこの男はハウスDJに違いないと直感が叫んでいたが、かと言って何をする訳でもなく。片耳にヘッドフォンを当てて音に陶酔している姿を見るとどうも悪い気がして話しかけられなかったというのがペンギンの本音である。毎週ここに来て、話しかけられずに飲みきった缶を殴り捨ててはその場を去るを繰り返した。おれはいくらこの缶コーヒーに使ったんだろうかとペンギンは心の中で苦笑いをした。
「あぁ、やっぱあんたもDJだったのか。もっと早く話しかければ良かった」
独り言のように言葉が漏れる。DJなんてそこら中見渡したって簡単に出会うものじゃない。ましてやこの大学で出会うなんて想像もできなかった。
「あんた名前は?」
「トラファルガー・ロー。DJ D.O.D.で通ってる」
「D.O.D.・・・」
「Doctor of death」
やはり医学部であったのかとペンギンは笑った。
死の医者なんていかにも不吉な名前だ。刺青といいやはり医学を学ぶ者とは到底思えない。だがペンギンには痛快なくらいそれがファンキーに思えた。この男となら、イベントの1つや2つやってみたいくらいだ。
「おれはペンギン。DJ PENだ」
「改めてよろしく」
「ああ」
また来週とトラファルガーは颯爽と去っていった。喫煙所に残されたペンギンは今までのやり取りを思い出しては、今にも顔に出てしまいそうな笑みを必死に押し殺していた。やっとこの大学で同じジャンルのDJに出会えた。この感動を表に出さないことなど、今のペンギンには無理な話である。
「もうお前に貢いでやんねーぞ、BOSS」
そう言ってペンギンは空き缶をゴミ箱へ投げ捨てた。
Fin
◆
管理人は大学パロで書きたかったもの・・・
それはDJローさんでした!!!
ローさんの刺青とかファッションとか見てると、もはや管理人にはDJにしか見えません。
マジDJ D.O.D.が渋谷とかで回してたら私は毎週通います^q^
そして恐れ多くもかの熱いグランプリ、WPGに投稿させて頂きました・・・!!!WPG開催初日から今までずっとストーカーのように日参してニヤニヤしてました。憧れの神々が集うWPGに参加できるなんて、幸せです(´∀`)
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