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煌く原子の光に飛び込もう
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I for you

心から キミに伝えたい
傷つきすぎたけど まだ間に合うよ
心から キミを愛してる
キミに降る痛みを 拭ってあげたい すべて I for You

Words by LUNA SEA


口に手を当てて、トラファルガーは嬌声を出すまいと必死に声を殺している。それは女のように快楽によがる声を出すのが恥ずかしいから、という単純な理由だけではない。
彼は、必死に守っているのだ。

おれに命令するな。
トラファルガーはよくそう言って敵にも仲間にも傲慢に振る舞う。もちろん自分本位な彼の性格が露呈しているということもあるが、何よりも彼は仲間の前で弱みを見せたくなかった。どんなときでも強気で頼りになる船長でいたいという彼の思いが、彼の行動をそうさせていた。そして今、その感情が彼を苦しめている。

「・・・んっ、はぁっ・・・」

ユースタスに組み引かれ、その快楽に耐えるトラファルガー。

クルーたちに気づかれちゃだめだ

押し寄せる快楽でさえ彼は必死に押し殺す。
彼は、必死に守っているのだ。
自分とクルーたちとの絆を。

「トラファルガー」

自分の下で快楽に耐える恋人の名前をユースタスは囁いた。
彼はトラファルガーがなぜ声を殺しているのか、その理由を知っていた。ユースタスは出会った当初からトラファルガーの強気な振る舞いが、クルーたちに弱みを見せないための盾であることに気づいていた。なぜなら彼も同じ立場だったからだ。同じキャプテン同士、それに気づくことは至極容易いことだった。

「ユースタス屋っ・・・悪ィ・・・」

トラファルガーはユースタスよりもクルーを優先している自分の行動が耐えきれなかった。どちらも今の自分にとって欠けがえのない存在。
どちらとも失いたくないなんて、我儘だろうか。

「てめェが謝ることなんて何もねェよ」

与えられる快楽に、気づかれてしまう恐怖に、恋人に対する懺悔に、渦巻く感情に震えているトラファルガーの頬にユースタスは触れるだけの口づけを落とした。トラファルガーは尚も震えている。

「今度は宿借りてヤろうぜ、お前の声聞きてェし」
「・・・変態」

少しでも緊張を解したくて耳元でフランクな言葉を囁いてやると、トラファルガーは予想通りの憎まれ口を叩いた。震えが止まったのを見てユースタスは心の中で密かに微笑んだ。

Fin



最後まで読んでくださってありがとうございました。
クルー公認の仲も萌えますが、知られまいと頑張るローにはもっと萌えます。
題名ですが、このお話を書いている途中でLUNA SEAの歌だ!!と思いまして(笑)使わせて頂きました。
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