煌く原子の光に飛び込もう
Mamacita × Pon De Replay
Mamacita!
Shake it til the moon becomes the sun...
Mamacita!
Shake it til the moon becomes the sun...
◆
DENIMの芳香が立ち込める狭い空間に客はまだほとんどいない。時間外を任された新入りのDJが、遠慮しがちにレゲエを掛けている。DJブースの前でターンテーブルを見つめる男が1人。トラファルガー・ローの目には青色LEDのライトだけが宿っている。早い時間から今夜の相手を貪り探している娼婦も、ローの腰つきに欲情している黒人も、強いては目の前でターンテーブルを回しているDJもその瞳には映っていない。映したいものはただ1つ。それはなんとも豪快な足取りでこちらへ向かってくる。近づくサングラス越しの瞳を映したくなくて、そっと視線をタンテーブルに戻す。
「よォ、シケてんなこのハコは」
「まだ時間外だ」
相変わらず視線をターンテーブルに向けていると、ほらよと花束が目の前に現れた。青い薔薇が凛と佇んでいる。
「おれは花束なんかで釣れねェぞ」
「フフフッ」
ドンキホーテ・ドフラミンゴは薔薇を無造作に取り出し放り投げた。
青い宝石はぱらぱらと狭いダンスフロアに落ちた。
「この花はお前のためだけに咲いているんだ」
DJブースの前は時間外と言えども音が宙を飛び交っている。甘すぎるドフラミンゴの言葉はローには断続的にしか聞こえない。
ローは足元の薔薇に目を向け、ヒールで踏み潰した。
「薔薇は赤いモンだぜ」
潰された薔薇がより一層その芳香を放ち、DENIMと混じって鼻を刺激する。
「あんたの血で赤く染めねぇと、なァ?」
「フフフッ!」
とんだ憎まれ口だった。この男を見ていると次から次へと心にもない言葉が溢れ出してしまうのだ。殺されてもおかしくないほどの暴言を吐いたにもかかわらず、ドフラミンゴは上機嫌に笑うばかりである。きっと、声が断続的にしか聞こえてないからだろう。「こんな花などいらない」ぐらいのことを言ったと思っているに違いない。
聞こえないのなら。
いっそのこと正直に「あんたが欲しい」と言ってしまおうか。
「もっと音量上げろよ、DJ」
ドフラミンゴが舌を出してDJにFUCKをかます。ぶっ飛んだ2人のやり取りを見ていたDJはニヤリと笑った。新入りにしてはイカれてやがるとローは思った。DJの指先がミキサーのつまみを触る。高揚する音。それとともに高ぶる感情。Collie BuddzのMamacitaが大音量でかかり出す。アがる音に客がダンスフロアへ集まりだした。ひしめき合う男女の中へドフラミンゴはローを連れ出す。
「今夜は踊り明かそうぜ」
耳元で聞く低い声。ドフラミンゴがエロスティックなレゲエのリズムにのせて踊る。ローの背後に回り腰を打ちつけ、両手で細い腰を掴んだ。思わず声にならない声が喉奥から漏れる。
「っ・・・」
「フフフ!・・・お前も腰振れよ」
慣れない素振りで腰を振る。ドフラミンゴの股間に臀部が触れるたびに熱くなる。犯されているような錯覚が起きる。まだ一度も口付けすらしたことがないというのに。
腰に巻きついていた手が身体の曲線をなぞってローライズに振れる。際どい手つきにローの身体が脈打った。
「Mamacita!」
あまりにも扇情的なローの姿を見て、先ほどの黒人が目の前で踊りだした。突然のことに戸惑うローを尻目にドフラミンゴのダンスは激しさを増す。前後から腰を打ち付けられて身動きが取れない。
「ふっ・・・」
甘い吐息を漏らしてローは両手を高く上げて腰をグラインドさせた。
「You're so cute」
曲が終わると黒人はそう笑って、頬にキスを落として消えていった。呆然と立ち尽くすローを抱き寄せて、ドフラミンゴは先ほど黒人の唇が触れた箇所を指で拭う。
「フフフ・・・!あの黒人、お前の腰つきがエロいってよ」
その声色が嫉妬の炎で燃え滾っていることをローは感づかなかった。黒人のことなどとうに忘れてしまっていた。先ほどドフラミンゴに触れられたところが熱を持ってしまって仕方が無いのだ。
「これからが本番だぜ、ロー」
名を呼ばれ、このダンスフロアで最も映したかったものを瞳の中へ捉えた。サングラスを取り外したドフラミンゴの瞳が鋭く心臓を打ち抜いた。いつの間にかDJは代わっており、ダンスフロアはまさにゴールデンタイムを迎えようとしている。
盛り上がりゆくダンスフロアには酒とタバコの匂いが混じり始めた。
DENIMと薔薇と酒とタバコの匂い。全てが混じりあえば良い。
月が太陽になる時間まで音を絶やさないでくれ。
ずっと、音の中に隠れていたい。
あんたと一緒に――
ローの唇がドフラミンゴのそれに触れた。
Fin
◆
樂宮さんへ捧げます♥
(バトンの罰ゲーム:ドフラローR18^q^)
DENIMの芳香が立ち込める狭い空間に客はまだほとんどいない。時間外を任された新入りのDJが、遠慮しがちにレゲエを掛けている。DJブースの前でターンテーブルを見つめる男が1人。トラファルガー・ローの目には青色LEDのライトだけが宿っている。早い時間から今夜の相手を貪り探している娼婦も、ローの腰つきに欲情している黒人も、強いては目の前でターンテーブルを回しているDJもその瞳には映っていない。映したいものはただ1つ。それはなんとも豪快な足取りでこちらへ向かってくる。近づくサングラス越しの瞳を映したくなくて、そっと視線をタンテーブルに戻す。
「よォ、シケてんなこのハコは」
「まだ時間外だ」
相変わらず視線をターンテーブルに向けていると、ほらよと花束が目の前に現れた。青い薔薇が凛と佇んでいる。
「おれは花束なんかで釣れねェぞ」
「フフフッ」
ドンキホーテ・ドフラミンゴは薔薇を無造作に取り出し放り投げた。
青い宝石はぱらぱらと狭いダンスフロアに落ちた。
「この花はお前のためだけに咲いているんだ」
DJブースの前は時間外と言えども音が宙を飛び交っている。甘すぎるドフラミンゴの言葉はローには断続的にしか聞こえない。
ローは足元の薔薇に目を向け、ヒールで踏み潰した。
「薔薇は赤いモンだぜ」
潰された薔薇がより一層その芳香を放ち、DENIMと混じって鼻を刺激する。
「あんたの血で赤く染めねぇと、なァ?」
「フフフッ!」
とんだ憎まれ口だった。この男を見ていると次から次へと心にもない言葉が溢れ出してしまうのだ。殺されてもおかしくないほどの暴言を吐いたにもかかわらず、ドフラミンゴは上機嫌に笑うばかりである。きっと、声が断続的にしか聞こえてないからだろう。「こんな花などいらない」ぐらいのことを言ったと思っているに違いない。
聞こえないのなら。
いっそのこと正直に「あんたが欲しい」と言ってしまおうか。
「もっと音量上げろよ、DJ」
ドフラミンゴが舌を出してDJにFUCKをかます。ぶっ飛んだ2人のやり取りを見ていたDJはニヤリと笑った。新入りにしてはイカれてやがるとローは思った。DJの指先がミキサーのつまみを触る。高揚する音。それとともに高ぶる感情。Collie BuddzのMamacitaが大音量でかかり出す。アがる音に客がダンスフロアへ集まりだした。ひしめき合う男女の中へドフラミンゴはローを連れ出す。
「今夜は踊り明かそうぜ」
耳元で聞く低い声。ドフラミンゴがエロスティックなレゲエのリズムにのせて踊る。ローの背後に回り腰を打ちつけ、両手で細い腰を掴んだ。思わず声にならない声が喉奥から漏れる。
「っ・・・」
「フフフ!・・・お前も腰振れよ」
慣れない素振りで腰を振る。ドフラミンゴの股間に臀部が触れるたびに熱くなる。犯されているような錯覚が起きる。まだ一度も口付けすらしたことがないというのに。
腰に巻きついていた手が身体の曲線をなぞってローライズに振れる。際どい手つきにローの身体が脈打った。
「Mamacita!」
あまりにも扇情的なローの姿を見て、先ほどの黒人が目の前で踊りだした。突然のことに戸惑うローを尻目にドフラミンゴのダンスは激しさを増す。前後から腰を打ち付けられて身動きが取れない。
「ふっ・・・」
甘い吐息を漏らしてローは両手を高く上げて腰をグラインドさせた。
「You're so cute」
曲が終わると黒人はそう笑って、頬にキスを落として消えていった。呆然と立ち尽くすローを抱き寄せて、ドフラミンゴは先ほど黒人の唇が触れた箇所を指で拭う。
「フフフ・・・!あの黒人、お前の腰つきがエロいってよ」
その声色が嫉妬の炎で燃え滾っていることをローは感づかなかった。黒人のことなどとうに忘れてしまっていた。先ほどドフラミンゴに触れられたところが熱を持ってしまって仕方が無いのだ。
「これからが本番だぜ、ロー」
名を呼ばれ、このダンスフロアで最も映したかったものを瞳の中へ捉えた。サングラスを取り外したドフラミンゴの瞳が鋭く心臓を打ち抜いた。いつの間にかDJは代わっており、ダンスフロアはまさにゴールデンタイムを迎えようとしている。
盛り上がりゆくダンスフロアには酒とタバコの匂いが混じり始めた。
DENIMと薔薇と酒とタバコの匂い。全てが混じりあえば良い。
月が太陽になる時間まで音を絶やさないでくれ。
ずっと、音の中に隠れていたい。
あんたと一緒に――
ローの唇がドフラミンゴのそれに触れた。
Fin
◆
樂宮さんへ捧げます♥
(バトンの罰ゲーム:ドフラローR18^q^)
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