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煌く原子の光に飛び込もう
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Black sofa

ブラックレザーの上でセックスをしよう。
甘い時間は要らないから。



セックスの後の甘い時間なんて下らない。乱されることの無かった服を見てローは笑った。いつだってそれは突如として気まぐれに、そして強引に行われる。嫌じゃないから強引ではないのか。いや、部屋に招かれて早々服も脱がずにセックスなんて、やっぱり強引だ。

ソファの肘掛に頭を乗せて、靴も脱がずに足を組んで座る。

「相変わらず行儀が悪ィなテメェは」

ブラックレザー越しに聞こえるのは、強引極まりない男の声。

「お前に言われたかねェよ。この極悪非道の3億首」

叩かれた憎まれ口をキッドは口角を上げてかわした。鉄拳の代わりに、冷蔵庫から持ってきたビールをローの頬に当てる。

「いらねェよ。もう帰らねェと」

頭上の手を振り切って、コツンと床を鳴らした。そのヒールの音はまるで、このままずるずると時間を過ごすことへの警告のようだった。

セックスの後の甘い時間なんて下らない。


「帰すワケねェだろ」


警告に揺れる腕を黒い指先が掴んだ。振り返れば、欲望を剥き出しにした赤い瞳が己を燃やそうとばかりに見つめている。

「まだ足りねェのか、この絶倫野郎」

渡されたビール瓶をキッドの欲望を煽るように舌を出して嘗め回す。ローは知っている。煽れば煽るほど、この男はサディスティックに自分を犯してくれる事を。

セックスだけでいい。
甘い時間は、独りの夜を苦しませるだけだ。

Fin

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