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煌く原子の光に飛び込もう
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お前の髪は一体何色なんだ?


★お題に挑戦!第一弾です。

→お題配布元


億越えのルーキーが今年は豊作だと、新聞記事が謳っていた。
その新聞に添えられて、賞金首のリストが何枚も挟まっていた。麦わら屋にロロノア屋。ドレーク屋に・・・ユースタス屋。いかにも悪そうな顔をしてやがる。悪ィ評判も絶えねェ。

「キャプテンその人が気になるの?」
「なぜそう思うんだベポ」
「だってキャプテン、
その人の紙になるといつも手が止まってるよ」
「・・・そうか、気が付かなかった」

ユースタス・”キャプテン”・キッド。
知らぬ間におれはこいつのことをずっと考えていたわけか。
安上がりな紙の上のユースタス屋を眺める。
逆立つ髪はセピア色だ。本当は何色なんだろうか。わからない。そもそもおれは、どうしてこんなにやつのことが気になってしまうのか。

――会ってみればきっとその理由がわかる。
シャボンディ諸島は目前だ。



風船の如く空高く軽やかに浮かぶシャボン玉、
そしてそれが割れる音が木霊する森の中。なんとも幻想的な出で立ちで、シャボンディ諸島はおれ達を迎えた。 ・・・だがそんな異空間を味わうのも束の間、街に出れば絶えまない騒音がおれ達を襲った。

「・・・なんだこの騒ぎは」
「誰かが暴れてるみたい」

前方には人だかり。
こりゃあ周りの連中より頭一つ飛びぬけているペボの方が早く中の状況がわかるだろうな。

「キャプテン!あの人だよ」
「?」
「あの――」

ベポが言うより早くおれの視覚がやつを捉えた。

鮮やかな赤だったんだな。

真っ先に頭に浮かんだのがそれだった。燃えるような赤。
髪が逆立っているから尚更”炎”みてェだ。

ユースタス屋はどうやら襲ってきた賞金稼ぎを半殺しにいたようだ
った。やつの足元にピクピクと痙攣している男が倒れている。おれは顔色一つ変えずに”炎”の方へ近づいていく。人ごみを抜け切ったところでやつはおれに気がついた。

「あんたがユースタス屋か」
「てめェは・・・トラファルガー・ローか」

ユースタス屋をまじまじと眺める。
セピア色じゃないビビットな色。
黙っているおれを見て、やつはその大きな口で笑った。

「黒かと思ってたぜ」
「ああ?」

挑発的なおれの返答を気にもせず、相変わらずやつは笑っている。

「お前の髪。蒼いんだな」

一瞬、耳を疑った。やつから出た言葉は挑発でも罵倒でもなかった。おれの髪に対する感想だった。おれと同じだ。
お前も、セピア色のおれを眺めていたというのか。
お前も、おれのことを気になっていたというのか。

「お前こそ目を疑うくらい真っ赤な髪をしてる」
「ハハハ、炎みてェだろ?」

ああそうだ。
お前はとてつもなく熱い”炎”だ。
どうやらおれはその”炎”に近づきすぎてしまったらしい。
こっちまで燃え移ってきちまった。
いや、本当はもっと前から静かに燃えていたんだろうな。

お前のせいでおれの心は盛大に炎上しちまってる。当分消火できそうにない。
どうしてくれるんだ、ユースタス屋。

Fin



最後まで読んで下さってありがとうございました。
シャボンディ諸島で会う前からお互いのこと意識してたら萌える。
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