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煌く原子の光に飛び込もう
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コート

お前の衝動に気づいてはいけない


★お題に挑戦!第二弾です。さりげなく第一弾と続いてます。
→お題配布元


二億の首はコートの下で横たわる。

今日の店の酒は随分と強かった。それに気付かずやつはグイグイと酒を飲み、ゆーすたすやぁと酔っ払い全開で襲ってきた。襲う対象はおれではなく、おれのコートだった。コートを強奪し、ご満悦なハートの船長はそのまま夢の中ってわけだ。

「ったく…お前おれに殺されてもしらねェぞ」

あまりに無防備すぎるトラファルガーを見かねてそう呟いた。だがその言葉を実行する気は全くない。むしろ全てを曝け出しているやつの行動が妙に嬉しかった。

おれはお前をどうしたいんだろうな。

お前と愛を囁き合いたいのか?
お前とセックスしたいのか?
・・・下らねェ。
愛を嘯き体を重ねることは、巷の売春婦で十分だ。おれは永遠の愛なんぞ信じない。愛を囁く男女ような関係なんて、たかが知れてる。いつかその愛の囁きは憎悪に変わる。この世に愛なんてない。

でもな、トラファルガー。

おれはお前がどうしようもなく好きなんだよ。
これは恋でも愛でもねェ。
ただただ無性にお前のことが好きだ。
お前がおれの傍で下らねェ話とか大きな夢を語ってくれるだけで幸せだ。

お前もおれも海賊だからよ。
大きな夢に向けて我武者羅に突き進まなくちゃいけねェ。
それに大切な仲間たちもいる。
お前もやつらを裏切るような真似なんてできねェだろ?
お前は大そうあの白熊に好かれているみてェだしな。

恋なんて愛なんて下らないから。
お前と語らうだけで幸せだから。
仲間が大切だから。


そのコートを握りしめるお前の衝動の理由を知ってはいけないんだ。

Fin



(無意識にコートを握る姿はまさに恋する――)

最後まで読んで下さってありがとうございました。
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