煌く原子の光に飛び込もう
氷の心
お前はおれの心を溶かしてくれるのか。
※ロー過去捏造ネタ
お前はおれの心を溶かしてくれるのか。
※ロー過去捏造ネタ
◆
「ローよくやったな」
大きな手がぐしゃりとおれの髪を撫でる。おれは下を向いたまま。
――親父のやつ、馬鹿にしやがって。
こんな薬の化学反応やオペの技術なんてすぐに覚えられる。
なにが「よくやった」だ。おれはあんたを早く超えてみせる。
幼い頃のおれは、ただただ親父を超えたかった。
百年に一度の医者と呼ばれた親父を早く超えたかった。
だから、親父に頭を撫でられることが酷く嫌いだった。
ふとおれはベッドの中でそんなことを思い出していた。
その理由は一目瞭然で、ユースタス屋がおれの髪を撫でているからだ。
「大丈夫か、トラファルガー」
「ああ」
急激な気候の変化に耐えきれず、熱を出してしまったのだ。
もともと雪国の生まれで、ジメジメした熱帯の気候にはなかなか慣れない。
おれとしたことが…これでも医者の端くれなのにな。
静かにおれの髪を撫で続けるユースタス屋の顔を、おれはそっと見た。
その顔は酷く優しかった。
――親父もきっとこんな顔してたんだろうな。
あの頃のおれは何もかもが嫌いだったんだ。
親父の名声だとか、周囲の期待だとか。もちろん、親父の期待も。
でも、親父は違ったんだ。親父は本気で息子であるおれを可愛がっていたんだろうな。
この年で親父の優しさに気づくなんて、おれは大馬鹿野郎だ。
「無理すんなよ」
「ああ」
ユースタス屋の姿が親父と重なる。
優しかった親父。
「…トラファルガー?泣いているのか」
「え?」
気づいたら頬を涙が伝っていた。
泣くなんていつぶりだろう。思い出せない。
死の外科医と呼ばれるこのおれが泣くなんておかしい。
「…風邪で涙腺が狂っちまった」
ユースタス屋は返答をせず、黙っておれの髪を撫で続けた。
どうしてだ。
お前といるとおれはいつも昔を思い出してしまう。
それは海賊となると決めた日に忘れたことなのに。
どうしてお前はおれの凍ってしまった心を溶かせるんだ。
お前と一緒にいると心が女々しくなる一方だ。
「ユースタス屋」
「どうした」
お前はおれを独りにしないって誓ってくれるのか。
お前のことを、好きになっていいのか。
Fin
◆
このネタでゾロとの絡みを書きたい。
「ローよくやったな」
大きな手がぐしゃりとおれの髪を撫でる。おれは下を向いたまま。
――親父のやつ、馬鹿にしやがって。
こんな薬の化学反応やオペの技術なんてすぐに覚えられる。
なにが「よくやった」だ。おれはあんたを早く超えてみせる。
幼い頃のおれは、ただただ親父を超えたかった。
百年に一度の医者と呼ばれた親父を早く超えたかった。
だから、親父に頭を撫でられることが酷く嫌いだった。
ふとおれはベッドの中でそんなことを思い出していた。
その理由は一目瞭然で、ユースタス屋がおれの髪を撫でているからだ。
「大丈夫か、トラファルガー」
「ああ」
急激な気候の変化に耐えきれず、熱を出してしまったのだ。
もともと雪国の生まれで、ジメジメした熱帯の気候にはなかなか慣れない。
おれとしたことが…これでも医者の端くれなのにな。
静かにおれの髪を撫で続けるユースタス屋の顔を、おれはそっと見た。
その顔は酷く優しかった。
――親父もきっとこんな顔してたんだろうな。
あの頃のおれは何もかもが嫌いだったんだ。
親父の名声だとか、周囲の期待だとか。もちろん、親父の期待も。
でも、親父は違ったんだ。親父は本気で息子であるおれを可愛がっていたんだろうな。
この年で親父の優しさに気づくなんて、おれは大馬鹿野郎だ。
「無理すんなよ」
「ああ」
ユースタス屋の姿が親父と重なる。
優しかった親父。
「…トラファルガー?泣いているのか」
「え?」
気づいたら頬を涙が伝っていた。
泣くなんていつぶりだろう。思い出せない。
死の外科医と呼ばれるこのおれが泣くなんておかしい。
「…風邪で涙腺が狂っちまった」
ユースタス屋は返答をせず、黙っておれの髪を撫で続けた。
どうしてだ。
お前といるとおれはいつも昔を思い出してしまう。
それは海賊となると決めた日に忘れたことなのに。
どうしてお前はおれの凍ってしまった心を溶かせるんだ。
お前と一緒にいると心が女々しくなる一方だ。
「ユースタス屋」
「どうした」
お前はおれを独りにしないって誓ってくれるのか。
お前のことを、好きになっていいのか。
Fin
◆
このネタでゾロとの絡みを書きたい。
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