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煌く原子の光に飛び込もう
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Super Nova!

その瞳には星屑が宿っていた

前編です。



青白いライト。その下で輝くグラス。酒を飲み交わす男。音に乱れる女。ハイなテンションで騒ぎまくる外人。DJブースの前ではしゃいでいるのは、恐らくDJアプーのダチだ。DJもオーガナイザーもゲストも大半が学生。
Super nova!の印象を一言で言うなら、さながら学祭の打ち上げの感覚だ。

「すいません、カルーア1つ下さい」

青と白のストライプ柄の形のいいワンピースの女に酒を頼まれる。カジュアルフェミニンに身を包むその姿はクラブの妖しいライトよりも夏の太陽の方が似合う女だった。先ほどからそんな”浮いた”女ばかりが目をちらつく。学生イベントというだけでこれほど客層が違うのかと、キッドは渋谷のatomを思い出していた。一度だけ東京に遊びに行ったついでに足を踏み入れたことがある。

「500円です」
「はい」

ワンコインを差し出すと女はダンスフロアの人混みに消えていった。濃いメイクに派手な服装の女も嫌いじゃないが、ああゆう女も嫌いじゃない。
――良い出会いがあるかもしれないな。
そんな淡い期待は酒を頼む声に消えていく。こんなに酒を頼む客が後を絶えないのは、フロアが盛り上がっているせいだ。

「今日はみんな来てくれてありがとう!最後の曲回すぜェー!!!」

COMA-CHIのname tagのイントロが流れ最後の曲が始まる・・・かと思えば途中で音が途切れてDJアプーのMCパフォーマンス。

「ちょっとみんな、COMA-CHIのname tag知ってるよな?オラッチの一番好きな歌なんだぜ!みんなちゃんとサビでC.O.M.A.C.H.Iって叫んでくれよォ!!そんじゃ気を取り直していくぜェー!」

だてにオーガナイザーやってねェなあいつ。
DJアプーが回し始めてからフロアは全く熱を冷ますことを知らない。選曲もMCも今まで回してきたどのDJよりも群を抜いて良かった。クラブの黄金時間を彩るにはまさに相応しいパフォーマンスだ。

「C.O.M.A.C.H.I!」

フロアの興奮じみた声が響く。
その興奮と相まって、客の酒もどんどん進んでいく。

「兄ちゃんウォッカ2つ!お前らは?奢るぞ」
「おれはコロナ!」
「ビール1つ!」
「私はカシオレ!先輩奢ってくれてありがとうございます」

目の前には早くしろと言わんばかりにカウンターのテーブルをこつこつ叩く腕がたくさんある。一気に頼むんじゃねぇと心の中で文句を垂れながら、注文の聞きそびれがないかカウンターを見回す。

ふと、その中にキッドは入墨だらけの腕を見つけた。

その腕の持ち主の顔を見ようとするが、蒼いライトに隠されて見えない。目の前の連中がいなくなれば見えるだろうと素早く酒を用意する。

「2500円です」
「ほらよ」

目の前に用意された酒を手に取り、連中はDJアプーのもとへ祝杯をあげに向かった。

「C.O.M.A.C.H.I!」

鳴り止まぬ歓声。HIPHOP女王の名前が鳴り響く。

「C.O.M.A.C.H.I!」

最高潮に盛り上がるハコの中で、それは一瞬時が止まったような感覚だった。

「次のDJになったらフロアに撒いてくんねェ、コレ」

暗がりの中で、目が合った。
その男は星屑を瞳に宿していた。
今にもその煌きに吸い込まれそうな感覚がした。
キッドは差し出されたものを手に取り、そして困惑する。それを見て男が笑ったような気がした。


入墨男の手からBaby powderが出てくるなんて、誰が想像できただろうか。

Next...



やっと大学パロで書きたかったところに到達します^q^
ああああん!DJ ローたん萌える!滾っちゃうオレ^q^
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