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煌く原子の光に飛び込もう
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ひかり

真っ白の銀世界
雪は全ての光をおれに当てる

お前もおれに光を当ててくれる




お前って北国育ちのくせに色黒だよなァ。
ユースタス屋はおれの顔をまじまじ見てそう呟いた。初めて会ったときからずっと気になっていたらしい。

「お前だって南国育ちのくせにえらい色白じゃねェか」
「これは生まれつきだ」
「てっきり日焼け止めでもしてんのかと思ってたぜ」
「そんな女みたいなことするか」
「そりゃそうだ」

ユースタス屋はびっくりするくらい色白だ。
きっと四六時中金属に塗れてるからだろうなァ。金属は光を全反射させるから。それともこいつの磁力自体が光をも曲げちまってんのかな。
なんにしても、ユースタス屋の肌は眩しいくらい綺麗だ。

「で、てめェはどうなんだよ?」

しばらくユースタス屋の能力について考察しているとユースタス屋が怪訝な顔をして覗いてきた。

「北国の人間は色白ってェのは間違った認識だ」
「どういうことだ?」
「銀世界はすごく光が強いんだ。真っ白な雪が光を反射させるから」
「てめェの故郷は年中雪がだらけのところなのか」
「そうだ」

そんな世界想像できねェや、とユースタス屋は微笑んだ。想像できないとか言って、きっと頭の中で想像しているんだろうな。誰だって自分の知らない世界を知るのは楽しいから。おれもユースタス屋の故郷の話を聞くのはとても楽しい。

「一面光の世界なんだ」
「そりゃあたいそう綺麗だろうな」
「いつかユースタス屋を連れてってやるよ」
「ははは、楽しみにしてるぜ」

おれは故郷の風景を思い出していた。

大吹雪の後の晴れた朝。
一面の銀世界と雲ひとつない蒼い空。
太陽が燦々と輝き、雪の粒ひとつひとつに光を当てる。
雪の粒は光を反射し、おれに光を当ててくれる――

白い白い雪。
それはまるでユースタス屋の肌みたいだった。

「お前の肌は雪みたいだな」

おれの心はずっと真っ暗闇だった。自分の夢のために感情を押し殺していた。どんな感情も暗闇に吸収されて消えていった。
そんなおれの心にお前は光を当ててくれたんだ。

「おれには眩しいくらい――」
「トラファルガー?」

困惑するユースタス屋におれは抱きついた。
お前はおれを照らしてくれる雪だったんだ!

Fin


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