煌く原子の光に飛び込もう
命令すんな
空を飛べないペンギンになって
あんたの傍にいよう
★ペンギンとローの出会い話。
テラ捏造なのでご注意。管理人の妄想力半端ない(^p^)
空を飛べないペンギンになって
あんたの傍にいよう
★ペンギンとローの出会い話。
テラ捏造なのでご注意。管理人の妄想力半端ない(^p^)
◆
「あんたいつもここにいるよなァ」
振り返れば細身の男が一人。腕の入れ墨が嫌でも目に付いた。
海に直面した橋の上で毎日のようにここで空を見上げているのだから、そう見知らぬ男に言われても仕方ない。
「そんなに空を見て、何が楽しいんだ?」
男はおれの隣に立ち、同じように空を見上げた。
空には鋼鉄の鳥が一羽飛んでいる。
「あれは、空軍の戦闘機か」
空で最も早い鋼鉄の鳥。
「あんたもしかしてパイロットなのか?」
「パイロットだったんだ」
おれはもうその鳥にはなれない。
「事故で海に落ちて以来、ハンドルを握れなくなってしまった」
今でも鮮明に覚えている。仲間を助けるために無理な操縦をした。そのためにエンジンがオーバーヒートさせてしまい、操縦の利かなくなった”愛鳥”と共におれは海に落下した。幸い無傷で済んだが、もう手が震えてハンドルは操縦できなくなってしまった。
「もうおれは飛べないんだ」
こんな話、今まで誰にもしたことはなかった。見知らぬ男だから言えたのだろうか。いずれにしても、思い出したくない過去を無理に思い出させられた気分だ。
この場所を去ろう。
立ち去ろうと足を一歩だそうとした矢先、男の声が聞こえた。
「おれももう海の中を泳げない」
「?」
振り返ると男は橋の縁に立っていて、今にも落ちそうな状態だった。
お前金づちではないのかと言おうとしたが、できなかった。
おれは、その勝気な瞳に目を奪われてしまったのだ。
「でもな、おれは海を恐れないぜ」
男は躊躇なく海へ飛び込んだ。
しばらくしても一向に浮いてくる気配がない。
あいつ、本当に金づちなんだ!!!
「何やってんだ!!」
おれは後を追うように海に飛び込み、すぐに海の底に落ちていく男を見つけた。
男はまるで死んでいるかのように目を閉じて動いていない。
――死ぬな!!
おれは無我夢中で男を助けた。
自分でもよくわからないくらいおれは必死になっていた。
・・・
「・・・ははは」
息を吹き返し、安堵するように男は笑った。
「ここはどこだ」
「近くの病院だ。・・・だがあんたを見た途端、みんな怯えて出て行ってしまった。あんたは一体――」
「海賊だ」
「・・・なるほど」
この破天荒さはまさに海賊らしいと妙に納得してしまった。
海賊をやってるというなら、この男もワンピースとやらを探しているのだろうか。
「ワンピースを探しているのか」
「まぁな」
「それだったらなぜ・・・なぜあんなことをしたんだ」
泳げないとわかっていてなぜあんなことを?
死んで夢を追えなくなってしまうかもしれないのになぜ。
絶対的な恐怖になぜ打ち勝てるのだ。
自問を繰り返しているおれに、男は笑った。
瞳にはあのときの勝気な炎を宿して。
「あんたが助けてくれると思ったから」
「見知らぬおれを大層信頼しているな」
「本当に助けてくれただろ」
そんな目でおれを見るな。
おれはあんたのその勝気な瞳に吸い込まれてしまいそうだ。
心が落ち着かない。
「なぁ」
「なんだ」
「おれと一緒に来いよ」
「!」
不思議と嫌な気持ちはしなかった。
どうやらおれは心底この男の瞳に惚れてしまったらしい。
すがすがしいまでに勝気なその瞳。
不可能なことを全く恐れぬそれは、まさにおれが欲しかったものそのものだった。
いっそのことこの瞳にこの身を賭けてしまおうか。
「いいだろう、ただし・・・」
「?」
「もう二度と海に飛び込むな」
そんな毎回死に直面されたら、こちらの身が持たない。
そう言うと大層おかしそうに男は笑った。
「おれに命令すんな」
空が飛べないというのなら
おれは空を飛べないペンギンになって
すっとあんたの傍にいよう――
Fin
◆
最後まで読んで下さってありがとうございました。
管理人、スーパー捏造しまくりです(>Д<)
ペンさんの帽子を見てパイロットだぁ!!!って思ってしまったんです。
どうか皆さんお許し下さい(;Д;)
「あんたいつもここにいるよなァ」
振り返れば細身の男が一人。腕の入れ墨が嫌でも目に付いた。
海に直面した橋の上で毎日のようにここで空を見上げているのだから、そう見知らぬ男に言われても仕方ない。
「そんなに空を見て、何が楽しいんだ?」
男はおれの隣に立ち、同じように空を見上げた。
空には鋼鉄の鳥が一羽飛んでいる。
「あれは、空軍の戦闘機か」
空で最も早い鋼鉄の鳥。
「あんたもしかしてパイロットなのか?」
「パイロットだったんだ」
おれはもうその鳥にはなれない。
「事故で海に落ちて以来、ハンドルを握れなくなってしまった」
今でも鮮明に覚えている。仲間を助けるために無理な操縦をした。そのためにエンジンがオーバーヒートさせてしまい、操縦の利かなくなった”愛鳥”と共におれは海に落下した。幸い無傷で済んだが、もう手が震えてハンドルは操縦できなくなってしまった。
「もうおれは飛べないんだ」
こんな話、今まで誰にもしたことはなかった。見知らぬ男だから言えたのだろうか。いずれにしても、思い出したくない過去を無理に思い出させられた気分だ。
この場所を去ろう。
立ち去ろうと足を一歩だそうとした矢先、男の声が聞こえた。
「おれももう海の中を泳げない」
「?」
振り返ると男は橋の縁に立っていて、今にも落ちそうな状態だった。
お前金づちではないのかと言おうとしたが、できなかった。
おれは、その勝気な瞳に目を奪われてしまったのだ。
「でもな、おれは海を恐れないぜ」
男は躊躇なく海へ飛び込んだ。
しばらくしても一向に浮いてくる気配がない。
あいつ、本当に金づちなんだ!!!
「何やってんだ!!」
おれは後を追うように海に飛び込み、すぐに海の底に落ちていく男を見つけた。
男はまるで死んでいるかのように目を閉じて動いていない。
――死ぬな!!
おれは無我夢中で男を助けた。
自分でもよくわからないくらいおれは必死になっていた。
・・・
「・・・ははは」
息を吹き返し、安堵するように男は笑った。
「ここはどこだ」
「近くの病院だ。・・・だがあんたを見た途端、みんな怯えて出て行ってしまった。あんたは一体――」
「海賊だ」
「・・・なるほど」
この破天荒さはまさに海賊らしいと妙に納得してしまった。
海賊をやってるというなら、この男もワンピースとやらを探しているのだろうか。
「ワンピースを探しているのか」
「まぁな」
「それだったらなぜ・・・なぜあんなことをしたんだ」
泳げないとわかっていてなぜあんなことを?
死んで夢を追えなくなってしまうかもしれないのになぜ。
絶対的な恐怖になぜ打ち勝てるのだ。
自問を繰り返しているおれに、男は笑った。
瞳にはあのときの勝気な炎を宿して。
「あんたが助けてくれると思ったから」
「見知らぬおれを大層信頼しているな」
「本当に助けてくれただろ」
そんな目でおれを見るな。
おれはあんたのその勝気な瞳に吸い込まれてしまいそうだ。
心が落ち着かない。
「なぁ」
「なんだ」
「おれと一緒に来いよ」
「!」
不思議と嫌な気持ちはしなかった。
どうやらおれは心底この男の瞳に惚れてしまったらしい。
すがすがしいまでに勝気なその瞳。
不可能なことを全く恐れぬそれは、まさにおれが欲しかったものそのものだった。
いっそのことこの瞳にこの身を賭けてしまおうか。
「いいだろう、ただし・・・」
「?」
「もう二度と海に飛び込むな」
そんな毎回死に直面されたら、こちらの身が持たない。
そう言うと大層おかしそうに男は笑った。
「おれに命令すんな」
空が飛べないというのなら
おれは空を飛べないペンギンになって
すっとあんたの傍にいよう――
Fin
◆
最後まで読んで下さってありがとうございました。
管理人、スーパー捏造しまくりです(>Д<)
ペンさんの帽子を見てパイロットだぁ!!!って思ってしまったんです。
どうか皆さんお許し下さい(;Д;)
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