Another story of soap bubbles -Bepo * Law

Another story of soap bubbles
Bepo * Law

シャボンディ諸島にて。
ゾロ、ドレーク、そしてベポの話に続きます。
ネタバレですが、行き着く先はキッドを目標に書いております。

◆

キャプテンはいつも敵を殺さない。
あの能力を使えば、いくらだって敵の“ハート”を手中に収められるのに。
なんでだろう。

おれはどうしても気になって、とことこと本を読むキャプテンのもとに近づく。

「キャプテンキャプテン」
「なんだベポ」

どんなに集中していたってキャプテンはおれに気づいてくれる。
そんなキャプテンはやっぱりすごい。

「なんでキャプテンは敵を殺さないの」

突然の質問にキャプテンはすごく驚いた顔をしたけれど、すぐにその顔を隠した。

「医者には人は殺せない」

そう言ってにっこりと微笑む。

「キャプテン、そんな顔をしないでよ」

だめだよ、キャプテン。

「そんな、哀しい顔をしないで」

そういっておれはキャプテンに抱きついた。

キャプテンは出会ったときからキャプテンで、おれはキャプテンの過去を知らない。一度だけおれはキャプテンに過去を聞いたことがあるけれど、曖昧な返答しかもらえなかった。
そのとき、おれはもう聞いちゃいけないんだと思った。

ねぇねぇキャプテン
どうしてそんな顔をするの
おれが傍にいるから
そんな顔をしないで
お願いだよ――

Fin

◆

最後まで読んで下さってありがとうございました。